【世界遺産検定3級講座】世界遺産の諮問機関 ICOMOS・IUCN・ICCROMを理解しよう

博士、前回出てきた「諮問機関(しもんきかん)」って、なんだか難しそうだね。世界遺産を調べる専門チームみたいなもの?

その通りだよ、せか丸。諮問機関は、世界遺産委員会に専門的な助言や評価を行う“知恵の集団”なんだ。
世界遺産の登録や保全は、彼らの調査と報告に支えられているんだよ。
諮問機関とは?
諮問機関(Advisory Bodies)とは、ユネスコと世界遺産委員会の決定を支援する専門組織のことです。
委員会が最終判断を下す前に、各遺産の価値・保全状況・管理体制などを専門的に評価します。
この諮問機関は、ICOMOS・IUCN・ICCROMの3つ。
それぞれが違う分野の専門家集団です。
- ICOMOS:文化遺産の専門家(建築・考古・歴史など)
- IUCN:自然遺産の専門家(生態・地質・保全など)
- ICCROM:保存修復の技術機関(教育・訓練を担当)

なるほど!つまり「文化=ICOMOS」「自然=IUCN」「技術=ICCROM」って分かれてるんだね!

完璧な整理だね!それぞれの機関が違う視点から遺産を評価して、委員会に意見を伝えるんだ。
ICOMOS(イコモス)とは?
ICOMOS(イコモス)は、「国際記念物遺跡会議(International Council on Monuments and Sites)」の略称です。
1965年に設立され、文化遺産を専門に扱う国際組織です。
- 文化遺産の調査・評価・登録審査
- 保全状況の報告と助言
- 文化遺産保護に関する国際基準の策定
ICOMOSの評価は、文化遺産登録の際に非常に重要です。
「建築技術」「歴史的背景」「景観との調和」など、多角的に検証されます。

へぇ〜!たとえば姫路城や京都の寺社なんかも、ICOMOSが調べて評価してるんだね!

その通り。ICOMOSの推薦報告が「登録可」と判断されると、委員会で登録が決定される可能性が高くなるんだ。
IUCN(アイユーシーエヌ)とは?
IUCN(アイユーシーエヌ)は、「国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature)」の略称です。
1948年設立で、自然環境や生態系を守るための国際的な組織です。
- 自然遺産の調査・評価・環境監視
- 絶滅危惧種のレッドリストの作成
- 持続可能な開発と保全の推進
屋久島や知床、小笠原諸島などの自然遺産も、IUCNの専門家が生態系や環境保全の観点から評価しています。

レッドリストってIUCNが作ってたんだ!世界遺産だけじゃなく、動物の保護も関係してるんだね!

そうなんだ。IUCNは“自然の守り人”。世界遺産以外の環境問題にも大きな影響を与えているんだよ。
ICCROM(イクロム)とは?
ICCROM(イクロム)は、「文化財保存修復研究国際センター(International Centre for the Study of the Preservation and Restoration of Cultural Property)」の略称。
1959年に設立され、本部はイタリアのローマにあります。
- 遺産保存のための研修・教育
- 修復技術の研究・共有
- 各国への技術支援・専門家派遣
ICCROMは評価よりも「教育と技術協力」に重点を置いています。
つまり、「現場で遺産を守る人を育てる機関」なんです。

なるほど〜。ICOMOSやIUCNが“評価”、ICCROMが“育成”って感じか!

そうそう。名前も私と似てるけど(笑)、ICCROMは“現場で働く守り手”を支える存在なんだ。
3つの機関の関係性
この3つの諮問機関は、ユネスコと世界遺産委員会を支える“三本柱”です。
それぞれの得意分野を生かしながら協力し、遺産の登録や保全を支えています。
| 機関名 | 分野 | 本部所在地 |
|---|---|---|
| ICOMOS | 文化遺産 | フランス・パリ |
| IUCN | 自然遺産 | スイス・グラン |
| ICCROM | 保存修復・研修 | イタリア・ローマ |
試験でのポイント
3級試験では、諮問機関の名前と役割を正しく区別できることが重要です。
- ICOMOS:文化遺産の評価(建築・歴史)
- IUCN:自然遺産の評価(生態・環境)
- ICCROM:保全技術と教育の推進
- 覚え方:文=ICOMOS/自=IUCN/技=ICCROM
- 本部所在地も出題されることがある(特にローマ=ICCROM)。
まとめ
- 諮問機関は世界遺産委員会を支える専門家組織。
- 文化・自然・技術の3分野で役割分担している。
- ICOMOS=文化、IUCN=自然、ICCROM=保存修復。
- 3つをまとめて覚えることが合格への近道!

「文・自・技」って覚え方、わかりやすい!
文化=ICOMOS、自然=IUCN、技術=ICCROM!完璧に頭に入ったよ!

その調子だね。次は、世界遺産が実際に登録される「推薦と審査の流れ」を一緒に見ていこうか。


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