【世界遺産検定4級講座】四川省のジャイアントパンダ保護区群 中国希少動物の聖域

4級対策
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【世界遺産検定4級講座】四川省のジャイアントパンダ保護区群|中国希少動物の聖域

標高500~4,000mに及ぶ中国・四川西部の山地に、チベットスギやタケ類の林、雲海に浮かぶ峰々が広がります。ここが「四川省のジャイアントパンダ保護区群」

世界の野生パンダ個体群の相当数が暮らし、レッサーパンダ、ユキヒョウ、ターキンなど希少種も同じ森を分かち合う地球規模の生物多様性ホットスポットです。

4級では所在国・正式名・区分・登録年に加え、構成地域(臥龍・四姑娘山・夹金山)、そして評価基準を確実に押さえましょう。

名前は長いけど、つまり「中国のパンダの森」って覚えればOK?どの辺にあるの?
イメージとしてはそれでOK。場所は四川省西部の邛崍(チョンライ)山脈と夹金山(ジャージンシャン)一帯だよ。構成は自然保護区・風景名勝区など複数エリアからなり、代表が臥龍自然保護区(Wolong)・四姑娘山(Mt. Siguniang)・夹金山(Jiajin Mountains)なんだ。

登録のキホン(4級ここだけ)

  • 所在国:中華人民共和国(四川省)
  • 正式名:Sichuan Giant Panda Sanctuaries — Wolong, Mt Siguniang and Jiajin Mountains
  • 区分:自然遺産
  • 登録年:2006年
  • 評価基準:(ix) 生態系の進化・生態学的過程 / (x) 生物多様性・希少種の保護

なぜ世界遺産? ― “パンダだけ”じゃない二つの価値

  • (ix) 生態系の進化・過程:ヒマラヤ~横断山脈へ続く大地の隆起と氷期・間氷期の気候変動の中で、温帯林・針広混交林・ササ・タケ類林が高度帯に沿って連続。季節移動や採食のためにパンダが帯状に行き来する空間構造(コリドー)を今も保っている。
  • (x) 生物多様性:パンダを含む種の多様性・固有性が顕著。レッサーパンダ・ユキヒョウ・雲豹・ターキン・金糸猴(キンシコウ)など、多くの希少種の生息地でもある。

「臥龍」「四姑娘山」「夹金山」をセットで覚える

  • 臥龍自然保護区(Wolong):研究・繁殖の拠点として有名。竹林と針広混交林がモザイク状に広がる。
  • 四姑娘山(Mt. Siguniang):標高6,000m級の峰を擁する景勝地。山麓の森林帯がパンダの生活圏。
  • 夹金山(Jiajin Mountains):ミズナラ・トウヒ・ササ類が分布し、季節移動のコリドーとして重要。

パンダって竹しか食べないイメージ。森のどこで、どうやって暮らしてるの?
主食はタケ・ササ類で、一年の中で標高帯を上下して新芽や葉を追いかけるんだ。繁殖期や子育て期は静けさが大切で、人の活動圧が高い場所を避ける傾向があるよ。

写真判別のコツ

  • 針広混交林+竹林の組み合わせ。苔むした巨木やシダ、しっとりした霧の森。
  • パンダの竹食シーンが写っていれば決定打。ただし飼育施設の屋内写真は世界遺産の景観問題には出にくい。
  • 山岳景観では四姑娘山の鋭峰と麓の深い緑の対比。

保全と課題 ― 分断・密猟・観光化

最大のテーマは生息地の分断(ハビタット・フラグメンテーション)。道路・農地拡大・観光開発が森を細切れにし、個体群が小さく孤立すると遺伝的多様性が低下します。
各保護区では、コリドー(生態回廊)の確保、違法行為の取り締まり、繁殖個体の野生復帰などを複合的に進めています。観光についてはゾーニング(利用区・緩衝区・厳正保護区)で人の流れを制御し、ゴミや騒音、餌付け行為を規制。ガイドやレンジャーの常駐でルール遵守を徹底しています。

“パンダだけじゃない”植物多様性

この地域は温帯広葉樹林から亜高山針葉樹林、草原・高山帯まで高度帯ごとに植生が切り替わる垂直分布が特徴。
ツツジ、マツ・トウヒ類、原始的被子植物系統など系統学的に重要なグループが共存し、氷期の避難所(レフュージア)として機能したことが、現在の高い固有性につながっています。

中国の自然遺産って多いから混同しそう…。九寨溝や黄龍とも山の写真が似てるよね?
いい視点!九寨溝・黄龍石灰岩の段丘池や多彩な湖沼の景観が決め手。
一方パンダ保護区群は「竹林を含む温帯林」×「希少動物の生息地」という生態・生物多様性の文脈が核だよ。写真なら竹林・針広混交林・パンダの三点で見分けよう。

用語で仕上げ(4級に効く!)

  • コリドー:生息地間をつなぐ生態回廊。個体群の遺伝的交流を保つ生命線。
  • フラグメンテーション:開発等で森が分断される現象。繁殖成功率の低下交通事故リスクを招く。
  • 指標種:パンダのように、生態系全体の健全性を示す“傘”となる種(アンブレラ種)としての役割にも注目。

要点まとめ

  1. 正式名:Sichuan Giant Panda Sanctuaries — Wolong, Mt Siguniang and Jiajin Mountains
  2. 所在:中国・四川省(邛崍山脈~夹金山)
  3. 区分/年:自然遺産/2006
  4. 基準:(ix)(x)(生態過程+生物多様性)
  5. キーワード:臥龍・四姑娘山・夹金山/竹林・針広混交林/コリドー・保全と観光の両立

基本は「パンダ竹林」だね!
写真は竹を食べるパンダか、深い温帯林に注目すれば、ひっかけを外せるよ。
本記事は世界遺産アカデミー(WHA)認定講師世界遺産検定マイスターが監修しています。

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