【世界遺産検定4級講座】アルベロベッロのトゥルッリ|白壁と円錐屋根の集落
イタリア南部プッリャ州イアトリア谷に輝く白い家並み、トゥルッリ(Trulli)。石灰岩をモルタルを使わず積み上げた円錐屋根の住居が密集。アルベロベッロ旧市街に独特の景観をつくります。
4級では所在国・登録年・区分・評価基準に加え、乾式石積み(ドライストーン)と二大エリア(リオーネ・モンティ/アイア・ピッコラ)、屋根頂部のピンナコロ(飾り石)や白く描かれたシンボルを押さえましょう。
円すい屋根でぎゅっと並んだ街、まるでおとぎ話みたい!どうやって作ったの?
地元産の石灰岩板(チャンネーレ)を漆喰やモルタルなしで積み上げる乾式石積みだよ。
壁は厚く、屋根は内側の円錐(構造層)+外側の薄石板(屋根材)の二重構造。夏は涼しく、冬は保温性があるのが利点なんだ。
壁は厚く、屋根は内側の円錐(構造層)+外側の薄石板(屋根材)の二重構造。夏は涼しく、冬は保温性があるのが利点なんだ。
登録のキホン(4級ここだけ)
- 所在国:イタリア共和国(プッリャ州・アルベロベッロ)
- 正式名:The Trulli of Alberobello
- 区分:文化遺産
- 登録年:1996年
- 評価基準:(iii)(iv)(v)
どこを見れば“トゥルッリ”と分かる?(写真判別)
- 白い石壁+灰色の円錐屋根が連なる“斜面の街並み”。
- 屋根の先端にピンナコロ(球・円柱・星など多様)。
- 屋根表面に白い石灰で描いた記号(十字・ハート・星など)が見える写真も。
- リオーネ・モンティの密集斜面、アイア・ピッコラの生活感ある静かな区画。
わざわざモルタル無しって不思議。壊れやすくないの?
乾式石積みは地震や温度変化に柔軟に対応できる利点がある。
さらに地元の伝承では、昔税の取り立てを避けるために“解体しやすい家”が求められたとも語られる(諸説)。歴史・伝統技術・暮らしの工夫が合わさった建て方なんだ。
さらに地元の伝承では、昔税の取り立てを避けるために“解体しやすい家”が求められたとも語られる(諸説)。歴史・伝統技術・暮らしの工夫が合わさった建て方なんだ。
世界遺産としての価値
- (iii) 証言:地中海に古くから続く乾式石積みの伝統を今に伝える。
- (iv) 典型:円錐屋根の固有の民家群(ヴァernacular)が都市景観としてまとまって残る顕著な例。
- (v) 集落:人と環境がつくる伝統的な集落形態が良好に保たれている。
トゥルッリの“かたち”と暮らし
トゥルッリは基本が一室一屋根。家族が増えると隣に小さな円錐を増築し、連結した多尖屋根になるのが特徴です。内部は中央の居間、台所、寝室、屋根裏の収納…とシンプル。夏は厚い石壁+小窓で涼しく、冬は暖炉で暖をとります。屋根の石灰塗装は防水・防菌と明度調整の役割も。
代表エリアの歩き方(用語も覚える)
- リオーネ・モンティ(Rione Monti):南西の斜面に1000棟超が密集。土産店・飲食も多く、写真で見る“密集群”はここが代表。
- アイア・ピッコラ(Aia Piccola):生活の息遣いを残す静かな区画。お店が少なく、居住用のトゥルッリが連なる。
- トゥルッロ・ソヴラーノ(Trullo Sovrano):二階建ての珍しいトゥルッリ(博物館)。構造や家具が学べる。
白壁+円錐屋根なら“サンタの家”みたいな北欧写真とも混同しない?
北欧の木造と違って、トゥルッリは石灰岩の石積み。連続する灰色の円錐屋根、屋根の白い記号、ピンナコロが決め手だね。国はイタリア、年は1996をセットで。
保存と課題 ― 住み続ける世界遺産
アルベロベッロは“生きた街”です。観光人気の高まりで宿泊施設化・商業化が進む一方、住民の生活と景観をどう両立するかが課題。世界遺産登録後は屋根材の交換手順・伝統工法の継承、色・素材のガイドラインが整備され、修復は乾式石積みで行うのが基本です。
学習まとめ(覚え方)
- 正式名:The Trulli of Alberobello
- 所在国:イタリア(プッリャ州)
- 登録年:1996
- 区分:文化遺産
- 基準:(iii)(iv)(v)
- キーワード:乾式石積み/円錐屋根/ピンナコロ/屋根の白い記号/モンティ&アイア・ピッコラ
合言葉は「1996・文化・(iii)(iv)(v)+乾式石積み・円錐屋根・ピンナコロ」だね!
完璧。写真は灰色コーン屋根が斜面にびっしりか、屋根に白い記号を探そう。
4級「ここ出る!」最終チェック
- 正式名:The Trulli of Alberobello
- 所在:イタリア・プッリャ州アルベロベッロ
- 区分:文化遺産/登録年:1996
- 基準:(iii)(iv)(v)
- キーワード:乾式石積み/円錐屋根/ピンナコロ/白い屋根記号/モンティ・アイアピッコラ
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