【世界遺産検定4級講座】ロード・ハウ群島|オーストラリア固有の自然生態系
オーストラリア東岸から約600km沖、タスマン海に浮かぶロード・ハウ群島(Lord Howe Island Group)は、固有種の宝庫として知られる自然遺産。
火山活動が生んだ険しい山容と環礁のラグーン、紺碧の海に屹立するボールズ・ピラミッドなど、特異な景観が広がります。
4級では所在国・登録年・評価基準・固有種名が鉄板。写真判別のコツや、外来種対策も押さえておきましょう。
ロード…ハウ? 舌を噛みそう! どんな島なの?
オーストラリア領の小島群だよ。切り立った火山島の背後に青いラグーン、さらに外洋にボールズ・ピラミッド(世界最大級の海食岩柱)がそびえるのが特徴だ。固有の鳥や植物がいっぱいなんだ。
登録のキホン(4級ここだけ)
- 所在国:オーストラリア連邦
- 正式名:Lord Howe Island Group(ロード・ハウ群島)
- 区分:自然遺産
- 登録年:1982年
- 評価基準:(vii)(x)
なぜ世界遺産?(価値のツボ)
- (vii) きわだつ自然美:海にそびえるマウント・ガウワーとマウント・リッドバーグ、ターコイズのラグーン、外洋のボールズ・ピラミッドがつくる劇的景観。
- (x) 生物多様性:長い隔離環境で進化した固有種の集中。海と陸の双方で高い保全価値。
代表的な固有種と生態
- ロード・ハウ・ウッドヘン(飛べないクイナ類):島の保全成功を象徴する希少鳥。保護で個体数が回復。
- ケンチャヤシ(Kentia palm / Howea forsteriana):観葉植物でも有名な固有ヤシ。島の林冠をつくる。
- ロード・ハウ・スティックインセクト(Dryococelus australis):「ツリー・ロブスター」の異名を持つ巨大ナナフシ。ボールズ・ピラミッドで再発見された逸話が有名。
- 海鳥の繁殖地:クロアジサシやミズナギドリ類など、多数の海鳥が集団営巣。
- サンゴ礁ラグーン:温帯域としては例外的に多様なサンゴ・魚類が見られる。
写真問題では、どこを見ればロード・ハウって分かるの?
尖った二峰の山塊+前景のラグーンが島部、外洋の孤立した尖塔岩はボールズ・ピラミッド。このセットを覚えれば判別しやすいよ。
島の成り立ちと地形
ロード・ハウ群島は、沈みつつある古い海底火山の頂部に形成された島々。侵食で山体が削られ、台地・断崖・砂州が入り組む地形と、周囲を取り巻くバリアリーフが穏やかなラグーンを育みます。険しい山岳から海岸の砂浜まで距離が近く、短い行程で垂直の生態系遷移を観察できるのが特徴です。
保存と課題 ― 外来種・観光圧への対処
島の生態系は外来種に脆弱。かつてはネズミ類がウッドヘンや海鳥に甚大な影響を与えました。現在は根絶プログラムや検疫、入島者数の上限、車両制限などで環境負荷を抑制。海域では禁漁区・速度規制・アンカー制限でサンゴ・藻場・海草帯を守っています。
試験に出やすいポイント(ひっかけ回避)
- 所在:オーストラリア東沖のタスマン海(ニュージーランドではない)。
- 区分:自然遺産。
- 登録年:1982年。
- 基準:(vii)(x)(景観美+生物多様性)。
- 固有種:ウッドヘン/ケンチャヤシ/巨大ナナフシをセットで。
- 識別キー:二峰の山塊+ラグーン+ボールズ・ピラミッド。
覚え方は「1982・自然・(vii)(x)・固有種3点セット・ボールズ・ピラミッド」だね!
完璧。ロード・ハウは“温帯サンゴ礁+絶海の尖塔岩+固有種”でワンセット記憶がおすすめ。
4級「ここ出る!」最終チェック
- 正式名:Lord Howe Island Group(ロード・ハウ群島)
- 所在:オーストラリア(タスマン海)
- 区分:自然遺産/登録年:1982
- 基準:(vii)(x)
- キーワード:ボールズ・ピラミッド/ウッドヘン/ケンチャヤシ/巨大ナナフシ
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