【世界遺産検定4級講座】ムザブの谷|アルジェリア砂漠に築かれた共同体都市
アルジェリア北部のサハラ砂漠に位置するムザブの谷は、11世紀以降に築かれたイスラム教イバード派の共同体都市群。オアシスの限られた資源を最大限に活かすため、緻密な都市計画が導入され、今も人々の生活に根付いています。
世界遺産検定4級では、都市構造・宗教建築・共同体の暮らしが問われる頻出テーマです。
ムザブの谷って聞いたことあるけど、どんな場所なの?砂漠の中にある都市なのかな?
そうだね。アルジェリアのサハラ砂漠に点在する5つの要塞都市(ケスル)で構成される地域で、独特の都市構造と生活様式で知られているよ。
ムザブの谷の基本情報
- 所在国:アルジェリア
- 正式名:Valley of M’Zab(ムザブの谷)
- 区分:文化遺産
- 登録年:1982年
- 評価基準:(ii)(iii)(v)
都市構造の特徴
ムザブの都市は、丘の上にモスク(礼拝堂)を中心として建設され、その周囲に住居が同心円状に広がる配置になっています。これは宗教生活を中心とする共同体の価値観を反映したもの。狭い路地と白壁の家々は、砂漠の暑さを和らげる工夫でもあります。
白い壁って、やっぱり暑さ対策?
その通り。日差しを反射して家の中を涼しく保つんだ。さらに路地は狭くて曲がりくねっていて、風の通り道になっているんだよ。
共同体の生活と宗教
ムザブに暮らす人々は、イスラム教の中でも少数派のイバード派。信仰に基づいた厳格な規律が都市生活にも反映されており、共同体の合意を重視する暮らしが営まれています。市場や公共施設も共同体単位で運営され、資源の限られた砂漠で持続可能な暮らしを続けています。
世界遺産としての価値
- (ii) 文化交流:イスラム建築と砂漠環境への適応が融合した都市計画。
- (iii) 証言:中世以降のイバード派共同体文化の証拠。
- (v) 人類と環境の関係:砂漠という厳しい環境下で持続可能な都市生活を実現した例。
試験に出るポイント
- ムザブの谷=アルジェリア、サハラ砂漠。
- 登録年=1982年。
- 特徴=モスク中心の同心円状都市、白壁の家並み。
- 宗教=イスラム教イバード派。
- 評価基準=(ii)(iii)(v)。
試験ではどうやって出題されることが多いの?
写真問題で白い家々と中央のモスクを見せて、場所を答えさせる形式が多いね。キーワードは砂漠都市・イバード派・同心円だよ。
ムザブの谷が教えるもの
ムザブの都市は単なる観光地ではなく、人類の知恵と環境適応力を示す遺産です。資源が限られる環境でも、共同体の協力と工夫で持続可能な社会を築けるということを現代に伝えています。
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